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睡眠時無呼吸症候群外来

睡眠時無呼吸症候群と生活習慣病・突然死のリスク

睡眠時無呼吸症候群(SAS:sleep apnea syndrome)とは

  1. 激しいイビキ
  2. 睡眠中の呼吸停止
  3. 昼間の眠気・疲労感
  4. 早朝の頭痛・頭重感
  5. 夜間の頻尿・中途覚醒

といった症状を示す症候群です。

原因は睡眠中に舌根部が沈下し、気道後壁(ノドの奥の壁)についてしまい息が吸えなくなるためで、呼吸が止まるたびに眠りが浅くなり熟睡が妨げられ、昼間の眠気・疲労感を引き起こします。

熟睡の妨げは慢性的な睡眠不足となり、血圧の上昇など、身体に様々な変調をきたしてきます。
疲労感から運動不足にもなり、肥満・高血圧・糖尿病・高脂血症などの生活習慣病も合併し易くなるのです。

また昼間の眠気は、居眠り運転や労災につながり、命をおとすことさえあります。

さほど眠気を感じない場合でも一定以上の無呼吸があると、呼吸停止中に血液の酸素濃度が低下することで身体へ悪影響を及ぼし、寿命が縮むことも分かっているのです。

心臓・脳の酸素不足は、不整脈・狭心症・心筋梗塞・脳梗塞のリスクにもなります。

SASは、 1)肥満だけではなく、 2)鼻づまり 3)扁桃肥大 4)ノド元の骨格 5)喫煙 6)飲酒 7)疲労 8)睡眠薬 など、様々な原因で生じることが分かっています。

花粉症・鼻中隔彎曲・ケガなどで鼻がつまった場合は、口を開けて寝るためにアゴとともに舌根部が後下方へ下がり、気道後壁とくっつき易くなります。

また疲労が激しい場合やアルコール・睡眠薬を飲んだ場合には、アゴや舌を支える筋肉の緊張が過度にゆるむため、やはり舌根部が沈下し易くなります。

一方、肥満が生じた場合は、気道後壁にも脂肪が沈着し気道後壁が底あげ状態となり舌と近づくためにSASを生じ易くなるのです。

当院では、自宅で行える簡易検査が可能ですので、お気軽に検査をお受けいただくことが出来ます。
イビキや無呼吸・昼間の眠気について、気になっておられる方がいらっしゃいましたら、この機会にどうぞご利用ください。

CPAP治療とは?

CPAP療法とは鼻にマスク(酸素マスクのようなもの)をベルトで固定し、機械からモーターで空気を送り込みながら寝ていただく、睡眠時無呼吸症候群の代表的治療法です。
睡眠中に舌根の沈下などで狭くなった気道を、空気の圧力で押し広げることで治療をします。

睡眠時無呼吸症候群を診断するまでの流れ

指先のセンサーだけでは、本当に呼吸が止まったのか判断できないため、呼吸センサー2種(鼻につけるフローセンサーと体につける体動センサー)を合わせた3点モニターで、確定診断用の検査を実施しています。
また、結果については、機械による自動判定ではなく、すべて医師によるマニュアル解析で判定をしています。

1.確定診断用の検査(3点モニター)を予約する
3点モニターによる検査は、自宅に持ち帰れる貸し出し用の小さな機械で検査するため、入院の必要はありません。
ただし、あらかじめ電話で検査用機器の貸し出しを予約してから受診する必要があります。
また検査用機器は、基本的には翌日に返却していただく必要があります(返却は代理の方でも結構です)。

2.受診(診察と検査で30分以上必要)
予約日に医療施設を受診します。無呼吸を起こしやすい骨格があるかを見るため、ノド元のレントゲンを1枚撮影します。
検査の説明を合わせて最低30分以上の時間が必要ですので、余裕を持って受診してください。
診察料と検査料を合わせて、3割負担の場合は4,000円程度が必要です。
検査用機器の貸し出しを受け、その夜に自宅で装着して検査を行い、翌日に医療施設まで検査機器の返却をしてください(代理の方でも結構です)。

3.結果説明と治療方針決定
検査機器を返却した翌日か翌々日には結果がでていますので、結果説明を受けるために再受診してください。
その場で医師から結果説明を受けて治療方針を相談します。
比較的軽症の場合は、マウスピースによる治療を行いますが、重症であればCPAP(シーパップ)という機械を使った治療が必要になります。

1)マウスピース
歯科への紹介状を受け取り、歯科で作成します。
作成したマウスピースを付けて、再検査をします。
2)CPAP
後日CPAPという治療用機器の説明を業者から受けます。
自宅にCPAPを持ち帰り、その日から治療を開始します。